今年はフェルメール元年と言われ、いろんな美術館でフェルメールの作品を見ることができます。
今は上野の東京都美術館で【マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝】
(2012年6月30日〜 2012年9月17日まで開催)にて、
あまりにも有名な「真珠の耳飾りの少女」が展示されていますよね。
まだ原画は見たことがないので、早く会いに行きたいんですが、すごい混雑だと聞くと躊躇。
2月には渋谷のBunkamuraミュージアムで【フェルメールからのラブレター展】があり
チケットが当たったので、2月の大学病院の帰りに主人と見に行きました。
そのときは《手紙を読む青衣の女》《手紙を書く女》《手紙を書く女と召使い》の3作品が展示。
フェルメールの筆使いというか色彩の優しさが、本当にステキでした。
で、病院帰りの今日(7月4日)、私が見に行ったのは【
フェルメール光の王国展】
ただし・・・これは現物の展示ではありません。
フェルメールの作品は世界に散らばっており、なかなか一同に集めて鑑賞することは難しい。
だけど、
リ・クリエイトして原寸大に印刷し、額装は各美術館で展示されているものと同じものを使い
年代順に並べ展示したい・・・そう願った福岡伸一さんが監修したのがこの展示会。
「re-create」(リ・クリエイト)とはなにか?
分子生物学者、フェルメール・センター銀座 総合監修 福岡伸一
「re-create」とは、複製でもなく、模倣でもない。あるいは洗浄や修復でもない。
「re-create」とは、文字通り、再・創造である。作家の世界観・生命観を最新のデジタル画像技術によって翻訳した新たな創作物である。
現存するフェルメール作品はいずれも数百年にわたる経年劣化のため、今や失われてしまった細部がある。それはけっして元通りにはならない。しかしその細部にこそフェルメールの思想は宿っていただろう。フェルメールがほんとうに描き出したかったことがそこに表現されていた。
(中略)
結果的にここに立ち上がったものは、約350年前にフェルメールが描いたであろう色とコントラスト、細部の表現、光の意図を解釈しなおしたものである。「re-create」とは、原作の複写ではなく、翻訳であるとした私の考え方はここに由来する。
落下点とわずかに残された軌跡から、今は見えなくなってしまったその発射地点と仰角を推定すること──「re-create」は、そのような意味での翻訳である。
現物はもはや本物にはなれないが、翻訳は現物を超えた本物になりうるという逆説を実験的に志向したのが「re-create」である。
現物の中をいくら探しても、失われ、損なわれてしまって見えなくなってしまったものを回復する。つまり、「re-create」とは、思想を創作的に表現した翻訳物なのである。ここからフェルメールにもういちど接近することができるのではないか──そう私は考えている。
↑画像はクリックすると大きくなり、文字を読むことができます。
画家を志した20歳のころ、彼は迷っていました。自分のスタイルを見つけることができないでいたのです。やがて彼は、自分がなにをどのように描くべきかを徐々に見出していきます。静けさの中で女性がたたずみ、手紙を書き、あるいは楽器を奏ではじめます。物語のない物語が語られはじめます。いわゆる「フェルメールの部屋」の発見です。やがて彼は光の粒を自在に操ることができるようになり、時間を止めることに成功します。そして数々の傑作を生み出すのです。そのみずみずしい過程を知るために、彼の全作品を制作年順に並べて、その場を行きつ戻りつしながら鑑賞することができれば、どんなにすばらしいことでしょう。
私は夢想をかたちにするひとつの方法を思いついたのです。このほど私たちはフェルメール理解へのひとつの試みとして、現存する全フェルメール作品を最新のデジタルマスタリング技術によって、彼が描いた当時の色調とテクスチャーを推測して、原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して一堂に展示する場所を作ろうと考えました。それを可能としたのが、リ・クリエイト画像技術であり、それを実現したのがここ、「フェルメール・センター銀座」です。 (監修の福岡伸一さんの言葉〜HPから抜粋〜)
本物でなく印刷されたもの・・・
だけど、フェルメールが描いた当時の色を再現した印刷なら(リ・クリエイト)
今は絶対に観ることができないフェルメールが描いたそのときの色彩だとしたら、
たとえ印刷でも鑑賞する価値があるのではないか・・・
この展示がテレビで紹介されたのを見たときから、ずっとそう思っていました。
場所が銀座だったので、病院帰りに銀座に寄って・・・と思い、会場を改めて確認しようとネットで調べたら、通院日の4日は、途中下車駅である
池袋の西武百貨店でも7月16日まで開催されていることを知りました。
ただ、銀座と同じものが飾ってあるのか、それとも一部だけが飾ってあるのか心配で、もし一部だけなら銀座に行こうと西武百貨店に問い合わせしたところ、銀座と同じものが飾ってあるとのことで、問題ナシ!(^^)
さらにクラブONカードの会員(西武百貨店のポイントカードを提示)なら、入場料
¥1,000が¥800というので、ラッキー♪
展示会では私は必ず音声ガイドを頼みます。今回ももちろん頼もうと思ったんですが驚いたのはその値段。だいたい500円くらいなのに今回は1000円だと?! たかっ!!
しかし解説を聞くのと聞かないのでは雲泥の差があると思っているので、今回も頼みましたよ。
今回の音声ガイドはiPod nanoを使用。使ったことがなく最初は戸惑いましたが何とか使いこなし・・・(笑)だけど小さいのでボタンも押しにくいし、よく展示会で使っているタイプの絵画の横に書いてある番号を押すと説明が流れるやつを半額で貸し出して欲しいって思いました。
後日知ったのですが、この音声ガイド、¥350でソフトをダウンロードできるんですって。
(詳細は
ココです) あぁ〜ショック!!650円損したぁ〜 p(´⌒`。q)グスン
あと、この展示はすべてリ・クリエイト作品なので(原画ではないので)
当たり前といえば当たり前なんですが写真撮影がOKなんです。
絵画展で写真を撮るのは禁断のイメージがあるので最初は抵抗があったのですが
フェルメールの描いた作品順に展示されているので順番にすべての作品をデジカメで撮影してきました。
制作当時の姿を推測してデジタルマスタリングしているので(リ・クリエイト)
フェルメールが描いた色彩で展示されており、鮮やか。
現代に残っているの作品には見られない趣で、そうか、フェルメールは描いたとき
こういう色彩を使ったのか・・・と350年前の人になった気分で鑑賞してきました。
私が好きな作品はこの2つ。
フェルメールは室内を描いたものが殆どですが、私は外の風景の方が好き。
どちらの作品もクリックすると大きくなります。
【小路】
2008年に観に行った
「フェルメール展」(東京都美術館)にも出品されていました。比較的小さな作品で、何でもない普通の風景ですがフェルメールが描くと、ステキな風景になっています。
【デルフトの眺望】
【小路】に比べかなり大きな作品で、どちらが好きかといわれると、こちらの作品の方が好き。
これから港町に1日が始まるって感じがヒシヒシと伝わってきます。
フェルメールといって、この作品を無視することはできませんよね。
↓(これも画像をクリックすると大きくなります)
【真珠の耳飾りの少女】
原画は今、東京都美術館で開催中の【マウリッツハイス美術館展】に展示中。
少女を見つめながら左右に移動してもずっと少女に見つめられている感じにゾクゾク!リ・クリエイトの作品でもこのゾクゾク感だとしたら、
原画はもっとインパクトあるんだろうなぁ〜
だけど連日すごい人だというので、ゆっくり鑑賞もできないでしょうし、ところてんのように押し出されるように観ても感激するのか不安です。
ちなみにこの日の少女の前はこんな感じです。いつでもウェルカーム♪だったので3回くらい戻って観てきました。
ゆっくり少女と会話ができて、とてもよかったです。もし【マウリッツハイス美術館展】で原画をゆっくり鑑賞できなかった方で消化不良を起こしている方は、フェルメールが描いた当時の色を再現したリ・クリエイトのこの作品でゆっくり鑑賞することもオススメします。
ショップで【デルフトの眺望】と【小路】の絵葉書(1枚¥180)を買って会場を後に。
当時の色彩を再現したリ・クリエイト作品でしたが、全世界に散らばっているフェルメールを
一つの会場で鑑賞でき、またそれもフェルメールが描いた順番に展示されていて
原画とは違う楽しみかたができて、大変興味深い展示だったなって思います。
ただ・・・正直に言うと・・・
絵画を鑑賞するという点では、私は原画で画家の筆使いやタッチを観るのが好きなので
いくら絵に近づいても凹凸のない絵画は、ちょっと物足りなかったです。
マウリッツハイス美術館展、平日に行けたらところてん覚悟で行こうかなぁ〜(^^)
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